先週の読書:「奪還(上)(下)」「無垢の傷痕 本所署<白と黒>の事件簿」 | 勝手に映画紹介!?

先週の読書:「奪還(上)(下)」「無垢の傷痕 本所署<白と黒>の事件簿」

先週の読書:「奪還(上)(下)」「無垢の傷痕 本所署<白と黒>の事件簿」

 

4月ももう終わりか、長かったような、あっという間だったような…ちょうどGW真っただ中だけど、オイラはいつものように予定はなく、いつも通り、自宅でダラダラ…ネトフリに再加入したので配信で映画を見て(あとWOWOWのエアチェックもけっこうたまってる)、積読本をいろいろと消化します。映画館もGW中は…特に見たいものはない、見たいものは先週見ちゃってるので、行かないし。というわけで読書の話…一応、先週は3冊ほど読んだだけど、上下巻ものが含まれるので、実際は2作品ほどの読了でした。久しぶりに電子書籍の整理、未読を1冊読んだ。

 

1冊目、2冊目は未読だったジャク・リーチャーシリーズの一つ「奪還(上)(下)」をようやく入手できて読めた…現段階の最新刊である「消えた戦友」の一つ前に翻訳されたもの、日本翻訳の13作目、正規のシリーズ順で10作目にあたる。リーチャーは赤の他人の誘拐事件にクビをつっこみ、最終的にイギリスまで出かけて行って、どえらい目に遭います。3冊目は電子書籍で麻見和史の「無垢の傷痕 本所署<白と黒>の事件簿」…DMMブックスで買ってあったのを忘れてた。連作短編の警察小説…麻見和史っぽさは感じられるけど、長編と比べると軽めだ。

 

今回の“推しの1冊”はもちろん…リー・チャイルドのジャック・リーチャーシリーズ「奪還」だが、上下巻とも推したいので、正確に言うと今回だけは“推しの1作”ですね(笑)それにしても、最近は古めの文庫本でも220円が主流になってきた近所のブックオフで…まだ2年くらいしか経ってない、「奪還(上)(下)」を、2冊とも各110円で入手できたのは珍しいし、嬉しいし、びっくりしたよ。ブックオフに足を踏み入れたのも、ちょっと久しぶりだったけど(前は2日にいっぺん、コロナ前なんかだと毎日通ってる頃もあった)…ホント、タイミングが良かったなぁ。

 

 

 

 

2022年8月発行、リー・チャイルド著「奪還」…最近は文庫の古本も220円が主流になってきたブックオフで、上下巻を各110円で入手できた。日本翻訳13作目、本国発刊順では10作目(ちょうど「アウトロー」の次)の本作…ニューヨークのカフェでコーヒーを飲んでいるリーチャーに、いきなり妙な質問を浴びせてきた男…実は男の雇い主である、民間軍事会社経営者の家族が何者かに誘拐され、ちょうどリーチャーのいる場所から見える位置で身代金の受け渡しが行われたのだが、リーチャーがその一部始終を目撃していたのではないかということだった。

 

それらしい記憶に思い当たったリーチャーは、成り行きで犯人探しに協力することになる。経営者は、屈強な傭兵軍団を従えているのだが、リーチャーは元憲兵という経歴を売り込み、犯人や交渉に関する助言をする。しかし、当たってる読みもあれば、大外れな読みもあったりで…人質の解放交渉は難航、それどころか調子に乗った犯人は、身代金を何度も追加で要求してきて、その都度、リーチャーたちを出し抜き、金を持って逃げ延びてしまう。人質解放を優先し、下手に出ていた経営者は…人質奪還が困難だと見極め、犯人への復讐へとシフトチェンジ。

 

リーチャーはただの誘拐事件ではなく、経営者の過去から事件の真相に迫ろうと独自に動き出し、傭兵軍団とは異なる外部の協力者もこっそり増やしていくが…。ようやく犯人の目星が付くかなとおもいきや、振出しに戻ってしまったところで上巻は終了。下巻は名誉挽回といわんばかりに、序盤から今度こそ役立ちそうな手掛かりを見つけて、色々と事態が進展していく。雇い主とはうまくいってる方ではなかったリーチャー…もともと行方不明の妻子を助けたい一心で協力していたこともあり、いつしか犯人探し、妻子探しを継続しながらも、雇い主とは袂を分かつ。

 

それを相手に悟られないようにするのも忘れず、色々と小細工をしていくという感じ。本作では、上巻の序盤から…リーチャーの“読み違い”が目立っており、ある意味、それが全体の伏線ともとれたり。ことごとく行動が裏目に出ていて、なんだったら、協力しない方が、首をつっこまないことが一番良かったりするんだけど…そんなもん後の祭り。本人も深く反省し、なんとか事態を丸く収めるために最後まで頑張るって感じでした。なぜ雇い主も、リーチャーも、最初に“その可能性”を考えなかったのかって思ったりもしちゃうくらい…“ちょっと読める真相”だったよ。

 

ピンチになりながらも、敵を冷静に排除していくリーチャーが逞しくもあり、ちょっと恐ろしいなと。怒らせたら本当にヤバい奴なんだなと…改めて思うのであった。自分が今まで読んできた作品の中だと「パーソナル」という作品で、珍しくアメリカ以外の国へ遠征してたけど…本作もイギリスまで行って大暴れしていた。今回読み終わった「奪還」の次に翻訳されたのが現段階の最新刊である「消えた戦友」…ちょうどアマプラで映像化された、ドラマ「ジャック・リーチャー ~正義のアウトロー~シーズン2」の原作…ドラマは見たけど、小説未読、古本で探してる最中。

 

 

 

2021年6月発行の麻見和史著「無垢の傷痕 本所署<白と黒>の事件簿」…黒星達成という縁起でもない名前のせいで周囲から疫病神扱いされていて、本人もネガティブ思考の男性刑事が、元看護士という異色の経歴を持つ女性刑事・白石雪乃とコンビを組み事件に挑む連作短編形式の警察小説、全5編…女性刑事・白石は黒星と性格も正反対なポジティブ思考の持ち主であり、両方合わさることでプラスマイナズゼロ、それどころか黒星の不運を跳ね飛ばし、幸運を引き寄せ…どんな難事件も短期間で解決、白黒コンビともてはやされるようになる!

 

こんな説明だと…コミカルなテイストかなと思いがちだが、そこは麻見和史作品なので、扱う事件は猟奇的なものも多く、犯人探しは推理小説的にフェアであり、意外性もあったりする。作中で刑事たちが真犯人や真相に思い至った時の描写がいかにも。ただし短編なので…長編作品と比べてしまうと、サクサクしすぎで、物足りなさもあるのは否めない。1つ目の“星の傷痕”は…有名病院近くの廃ビルで男性の死体が見つかり、死体には刃物でつけられた複数の傷が!そして死体損壊が趣味だと犯人がわざわざメッセージを残していた。コンビの初顔合わせ!

 

2つ目の“美神の傷痕”も…廃屋で激しく損壊された死体が見つかり、身元は美容外科医の後妻であることが判明する。どうやら殺された嫁さんは浮気をしていたらしく、やはり夫である美容外科医が怪しい?3つ目の“罪の傷痕”は…黒星刑事の知人であるアパート経営者から、入居者が行方不明になったという話を聞き、同棲中の内縁の妻に事情聴取すると…多数の凶器と、何らかの犯行を仄めかすメッセージが部屋に残されていたことが判明、行方不明者探しを始めることになる。やがて内縁の妻にも意外な過去があって…失踪はそれに関係するのか?

 

4つ目の“嵐の傷痕”は…当初、交通事故死と見られていた被害者の家族から、事件性があるという訴えがあり、交通課の依頼で事故を再調査…被害者の周囲を調べると、恋人の女やその母親の言動が何やらおかしくて…。5つ目の“炎焔の傷痕”は…手製爆弾を使った爆破事件と、セミプロの女性写真家への脅迫事件が同時進行で描かれるが…案の定、2つの事件がバッティングして、意外な事実、新たな事件の予感!全部の話がそうじゃないけど…事件の多くに、病院や病人が関わってくるのも本作の特徴の一つか?ページ数少もなく短時間で読めた。






 

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