デコトラの鷲 其の参 恋の花咲く清水港(2005年) | 勝手に映画紹介!?

デコトラの鷲 其の参 恋の花咲く清水港(2005年)


近所のツタヤで昨日だけ、旧作半額キャンペーンを行っていたので、いくつか見逃していたソフトを借りてきた。で、まず最初に見たのがコレ「デコトラの鷲 其の参 恋の花咲く清水港 」。哀川翔による21世紀版“トラック野郎”なんだけれども…ちょっと“男はつらいよ”風でもあったりする。毎回違ったマドンナに片想いして、一人暴走する主人公の鷲一郎の姿は…哀川翔の代表作「勝手にしやがれ」のチンピラの雄さんを彷彿とさせたりも。そんな人気シリーズの第三弾がコレ。実は自分が通っているツタヤには、1作目のDVDがなくて、2作目から見始めたんだけど…本当に“トラック野郎”や“寅さん”みたいな内容なんで、前の話なんて見ていなくても無問題(モウマンタイ)!いまどきけっこう珍しい…いちげんさんOKのスチャラカお馬鹿映画シリーズです。

ド派手なデコトラを操るトラック野郎の飛田鷲一郎…旅先で義母が危篤状態になっている夢を見て、嫌な予感がすると…仕事をほっぽりだして地元浅草にとんぼ返り。結局は取り越し苦労に終るのだが、成り行きで、幼馴染たちが上演する“次郎長三国志”で、清水の次郎長をやる羽目に。その演技を見た、怪しげなプロモーターが鷲一郎たちに接触してくる。また、弟分の孝作と浅草の町を歩いている時に、黒ずくめの男たちが、美女を拉致しようとしている現場に遭遇。間一髪で鷲一郎が助けるのだが、その女性は記憶を失っていた…。

前作が意外な拾い物だっただけに…けっこう期待していたんだけど、ギャグのレベルがさらに劣化し、どうしようもなくくだらない、デタラメな部分だけが勝手に暴走してしまったか?B級映画的、2時間ドラマ的な単純さで楽しめた前作に比べて、とにかく出てくるネタが古臭い。いったいいつの映画やねん、コレ。いくら記憶喪失もの映画が流行ったからといって…頭をぶつけて記憶をなくしてしまうヒロインってどうなのよ。哀川翔演じる鷲さんは、「秘密結社の仕業だ」と豪語し始めるし(黒服=MIB)もう支離滅裂。その記憶喪失中のヒロインが、記憶を取り戻そうと想い出の地を巡るって展開になるんだけれども…山を見て、「おにぎり食べたい」って言い出すなんて、まったくどこのどいつのアイデアだ!(真中瞳の演技も酷すぎ)ずうとるびの江藤くん が、フィンガーボールの水をゴクゴク飲み干すなんてギャグを、この時代にやって笑いがとれると本当に思ってるのか、香月監督。これだったら前作の下ネタの方が、普通に笑えたよなぁ。今年のワールドカップイヤーを見越してか、清水=エスパルスで、サッカーネタも仕込んできたけど…ここも完璧空振りでした。

ツッコミ入れ放題の馬鹿映画として見れば、飽きはしなかったけどね…前作の方が全然面白かったです。

知能レベルが低すぎ、何でも直球のウルトラスーパー馬鹿、鷲一郎というキャラクターは、私生活もメチャメチャ熱い哀川翔と、紙一重なところもあって…よく出来たキャラクターだけに、もう少しコメディの演出をしっかりやってくれれば、もっと面白い作品に化けるだろうに、とにかく残念。もし次回作があるなら、キャラクター据え置きで、監督や脚本家を変更してみるっていうのも冒険かもしれないね。

松竹の「釣りバカ日誌」に対抗して、寅さん的なワンパターンながらも安定した娯楽を提供する、東映の長寿シリーズになって欲しいと心から願っていただけに、3作目で早くもその夢が崩れてしまうのではないかと、ちょい心配になる。

監督:香月秀之
出演:哀川翔 真中瞳 柳沢慎吾 高田宏太郎 宮下順子 河島未怜 江藤博利 鈴木ヒロミツ コロッケ 


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