勝手に映画紹介!?

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毒舌弁護人~正義への戦い~(2023年)

毒舌弁護人 ~正義への戦い~ [DVD]

 

WOWOWでエアチェックしておいた「毒舌弁護人 ~正義への戦い~」を鑑賞…読んで字のごとく、口の悪い弁護人=弁護士の主人公が、自分のミスで一度は敗訴した事件にリベンジする機会が訪れ、実は陰謀による冤罪だった真実を、法廷で暴いていくという…香港のリーガルサスペンス。今の時代、製作国が中国ではなく、香港というのも意外と珍しいな…そして香港映画なのに、アクションがほとんどないのも珍しい。劇場公開後、円盤は出てないのか?ブルーレイの発売はないみたいで、DVDのみ5月10日にレンタル&セル発売、アマプラ配信もまだない。

 

2002年、治安判事だったラム・リョンソイは普段の行いがたたり、“わいせつ物 審査所”への異動を命じられてしまう。見兼ねた知人から弁護士への転向を勧められ、彼の法律事務所で働くことになった。転向後、初の依頼人は児童虐待で捕まった元モデルのツァン・キッイ。女性弁護士のフォン・カークワンと共にツァンの弁護を担当することになったが…事情を調べ無罪を確信し、ろくな準備もせずに裁判に挑んだ結果、ツァンは有罪が確定、禁錮17年の刑が下されてしまう。リョンソイは後悔し、2年の時が流れたある日、ツァンに再審のチャンスが訪れる!

 

左遷された中年判事が、知人の勧めもあり弁護士に転職。最初の弁護に挑むも…お目付け役の若手女性弁護士の助言を無視し、余裕ぶっこいたせいで大失態、無罪を確信していた依頼主を刑務所送りにしてしまい大反省、大後悔。結局、誘ってくれた知人の弁護士事務所を辞めて独立…数年間、心を入れ替えて、細々と仕事をしてたんだけど、自分が刑務所送りにしてしまった依頼人が無実である証拠を掴む。相棒だった女性弁護士やムショ送り以降、口も聞いてくれない依頼人に頭を下げ、なんとか再審に持ち込むも、簡単には無罪放免にはならない。

 

もともと、依頼人の女性が無実である証明として、愛人である男を証人として呼んでいたんだけど、最初の裁判で…証言を覆したことが、有罪確定の原因に。最初に愛人男性から有利な証言を引き出した時に、裁判で使えるような記録を残しておかなかったのよ。そもそも、なんで愛人は証言を覆したかというと…愛人は特権階級の権力者一家の娘と結婚した婿養子で、嫁や家名を守るために嘘をついているらしいと。それが一目瞭然なんだけど…別の証人を金で買収していて、手も足も出なかった。ようやくそこが崩せそうだってことで、再審に繋がったのね。

 

でもって、再審になってもアコギな手を使って邪魔してくる…いやいや、そこまで邪魔するって、もしかして愛人が真犯人なんじゃね?みたいな話にもなる。とにかく…この権力者一家の法律顧問という男(演じるのはマイケル・ウォン)があの手、この手で、攻めてくるわけで…。主人公たちは、陰謀をぶち破るには、もう一度事件をちゃんと調べ直そう、依頼人が無実である証拠を事件の真相を解くことで見つけようとなる。敵が違法行為でくるなら、こっちだって同じような手で逆襲だと…グレーどころか、真っ黒な手法で駆け引き…若干リアリティに欠ける部分もある。

 

まぁ、そこは香港映画版「逆転裁判」くらいの気持ちで見てれば許容範囲だ…権力者側にいいように使われてしまう検察官と弁護士の関係性なんかも、ちょっと「逆転裁判」の御剣怜侍と成歩堂龍一みたいだったしな。事件を検証する推理パートもあるし…やっぱり「逆転裁判」に似てるよ。個人的には主人公と最初は反目しながらも、段々と絆を深めていく若手女性弁護士の女優さんが可愛いなと思いながら見てたんだけど、映画公式サイトのキャストプロフィールに載ってない。WOWOWの解説ページによると女弁護士役の女優さんはレンシ・ヨンというらしい。

 

 

監督:ジャック・ン

出演:ダヨ・ウォン ツェ・クワンホー ルイーズ・ウォン フィッシュ・リュウ マイケル・ウォン ホー・カイワ

 

 

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DVD 毒舌弁護人 ~正義への戦い~

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1ヶ月間のHulu(フールー)加入を終えての総括…ドラマ2作品、香港映画5作品、計7作品鑑賞!?

1ヶ月間のHulu(フールー)加入を終えての総括…ドラマ2作品、香港映画5作品、計7作品鑑賞!?

 

先月、映像化不可能と言われていた綾辻行人センセイの同名小説をドラマ化した「十角館の殺人」がHuluのオリジナルドラマとして配信開始になったので加入…もう何年も前、Fire TV Stickを購入直後に、Huluのお試し視聴をしたことがあったらしく、アカウントが残っていたので…今回はお試し視聴サービスは利用できず(泣)、ちゃんとお金を払って利用しました(当たり前だ!)。お目当てのドラマを見終わった後も、自分の入ってるアマプラでは見放題になっていない旧作香港映画なんかを見てたんだけど…後半は利用頻度が落ち、次回請求前に解約したよ。

 

結局、海外ものを含めたドラマ2作品、旧作香港映画5作品…7作品ほど鑑賞。そんなに多くの作品を見れたわけじゃないけど、まぁ、一番の目的である「十角館の殺人」を見れたし、ネトフリ(自分は広告なしのスタンダードでいつも契約している)なんかと比べると1か月の料金もちょっぴり安めだからまぁいいかと。ああそうだ、今思い出した…加入直後にサンライズが制作に参加した短編アニメ映画版(旧版)の「め組の大悟」を見たんだけどAmazonでまともなアフィ画像がなかったり、YouTubeに使えそうな動画がなかったので、感想書くのをやめたんだった。

 

正確には8作品見てました…まぁ、ブログで鑑賞記録が残してあるのは7作品なので、7作としておきます。ドラマの方は、両方とも複数エピソードなので、時間的には単発映画の何本分かにはなると思うけどね。気になる旧作香港映画も、まだ何本かマイリストに登録してあったんだけど…見ないまま、解約しちゃったな。最後にお薦めを2作品ほどピックアップしておきますが、やっぱり現段階ではHuluの独占配信の「十角館の殺人」と「ツイステッド・メタル シーズン1」ですね…再加入の予定はないが、「ツイステッド・メタル シーズン2」があったら入っちゃうかも?

 

 

日本ドラマ・海外ドラマ

 

十角館の殺人(2024年) 独占配信

ツイステッド・メタル シーズン1(2023年) 独占配信

 

 

香港映画

 

D&D 完全黙秘(1995年)

ファイアー・ドラゴン(1986年)

ガンメン 狼たちのバラッド(1988年)

サイキックSFX/魔界戦士(1985年)

傷だらけのメロディー(1986年)

 

 

加入したらこれを見よう、お薦め1:十角館の殺人(2024年)

 

 

今回の加入の一番の目的だった…ドラマ視聴前に30年ぶりくらいに、ちゃんと再読して挑んだので、原作を丁寧に、忠実に、そして大胆に映像化されているなとより実感できた。時代設定を小説と同じ1986年にしてあるなど…変に現代風アレンジをしていないところも好感が持てる。ちょっとわざとらしくないか?なんて思いつつも…ギリ成立しているあのトリック!原作を知ってる人ほど、きっと“騙されたフリをしてあげよう”と優しい気持ちになると思うよ、たぶん…そのくらい、まともな映像化作品にはなっています。よくここまで推理小説を忠実に映像化したよ。

 

 

加入したらこれを見よう、お薦め2:ツイステッド・メタル シーズン1(2023年)

 

 

原作はプレステのゲームらしいがプレイしたことはない…簡単に言うと流行りのポストアポカリプス、ディストピアものでして、何らかの原因で日常がすっかり様変わり、荒廃してしまった世界で、人間は必死に生きてるんだけれども、そんな荒んだ世界で…各地を飛び回り、依頼のあった荷物を届けるのを生業にする配達屋を主人公とした物語。「ゾンビランド」や「デッドプール」の製作陣が手掛けた作品ということで、いい感じにヤバくて下品。洋画、海外ドラマは基本字幕派だが…杉田智和、朴璐美、千葉繁という吹き替えキャストにつられて吹き替えで鑑賞した。

 

 

 

【Huluが気になる方はこちらから…】

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先週の読書:「暴虎の牙」「任侠シネマ」「夜明け前の殺人」

先週の読書:「暴虎の牙」「任侠シネマ」「夜明け前の殺人」

 

先週は…その前の週の、“母親の入院のドタバタ”から解放されたこともあり、まぁまぁ読書に割ける時間もとれたかなと(先週の読書という投稿自体は1週休んだ)。映画の方はボチボチと自宅鑑賞メイン…2週ほど映画館へ行けてない。先月、「十角館の殺人」目当てに加入したHuluの次回請求日が迫っていたので解約…途中はけっこう旧作の香港映画を見たりするのに使ってたんだけど、最後の方は利用しなくなってしまった。今後は「十角館の殺人」のような目玉がないかぎりは再加入はないかな?ああ、「ツイステッド・メタル」のシーズン1は面白かったな。

 

今月は「シティー・ハンター」の実写ドラマが始まるので、ネトフリの再加入を検討中。前に加入した時に見たザック・スナイダーの「REBEL MOON」の続きも始まってるらしいし、ちょうどいいかなと。ああそうだ、Xのキャンペーンで、「お終活 再春! 人生ラプソディ」のムビチケが当たったよ…地元シネプレックスでの上映はないみたいなんだけど、車で行けるイオンシネマで上映予定があった。賞品の現物はまだ届いてなくて、今も続いているキャンペーン終了後、5月末の公開間近になるらしいが…また届いたら詳しい当選報告・自慢をあらためてさせてもらう。

 

さて、先週はなんとか3冊の小説を読了できました…全部古本なので、新し目のものはないけど。まず1冊目が柚月裕子の「暴虎の牙」…「孤狼の血」シリーズの3作目で、完結編とのこと。1作目「孤狼の血」ほどじゃないけど安定した面白さ。既に文庫化もされてるけど、文庫は上下分冊になってしまったので、単行本の方が一気に読めるし、古本の購入価格も安かった。2冊目は今野敏センセイの「任侠シネマ」…こちらも人気リーズの5作目、人の好いヤクザさんたちが、今回は映画館の経営を立て直します!極道ものが2冊続いたが、全く作風が異なる(笑)

 

3冊目は…辻真先センセイの「夜明け前の殺人」、上演中の演劇舞台で主演女優が自殺!9年後に弟が事件の真相を調べ始めると…再び事件が起きてしまう!企業メセナ、演劇、島崎藤村といった題材、テーマがうまく絡み合いながら、ミステリーらしい直球の謎解きで魅せる。オイラのような藤村なんて興味ないという無知な人間が読んでも普通に面白かったですよ。3冊読めたので久しぶりに選びごたえがある“推しの1冊”ですが…やっぱ本来は“映画ブログ”という当ブログの内容も考慮し、今野敏センセイの「任侠シネマ」をお薦めしたいと思います!

 

 

 

2020年3月発行の柚月裕子著「暴虎の牙」…2023年1月に文庫化もされているが、文庫版は上下巻の分冊。映画化もされている「孤狼の血」シリーズ3部作の完結編とのこと。1作目は文庫で、2作目は電子書籍で読んでいたが、こちらはずっと読み逃していた。映画版も2作品見ているが、映画の2作目は原作とは異なるオリジナルストーリーだった。さてこちらは、過去シリーズで既にお亡くなりになっているマル暴刑事ガミさんこと、大上刑事が再登場…1作目よりも前の話が語られる一方で、後半の3分の1くらいは…過去シリーズ1~2作目の続きの話。

 

冒頭、どうやらヤクザな父親を殺してしまった少年と、その取り巻きであろう友人が遺体を遺棄する場面から始まる。時が経ち…その少年たちが成長し、ヤクザをも恐れぬ愚連隊を率いるようになっている。そんな連中と…広島北署時代のガミさんが偶然にも出会ってしまう。愚連隊の素性を一発で見抜いたガミさんは、過去シリーズでも描かれていた“ガミさんの過去にまつわる因縁”、その復讐の道具に利用しようと動き出すが…ということで、過去の昭和パートの話が進む。ガミさんら警察、ヤクザ、愚連隊の三つ巴な争いが激しく展開されていくわけだが…。

 

過去パートは途中でいったん終止符を迎える。しかし、さらに時が流れて…亡きガミさんの意志を継ぎ、ガミさんそっくりのマル暴刑事になっている後輩・日岡が、復活した愚連隊と対峙することになる。日岡は、映画だと松坂桃李が演じていたが…ちょうどオリジナル展開を見せた映画2作目の時の日岡のように、いい感じにやさぐれてましたね。映画版は話こそオリジナルだったけど、しっかり原作の影響は受けていたのかもしれない。それこそ愚連隊を率いるリーダー沖虎彦は、映画版2作目で鈴木亮平が演じていた“ヤクネタ”上林成浩をどこか彷彿とさせる。

 

 

 

2023年4月発行の今野敏著「任侠シネマ」…2020年5月に出ていた単行本を文庫化したもの。元は博徒系で、地域密着型(心優しい)ヤクザの親分、子分が、様々な職業に首をつっこみ、経営を立て直してきた“任侠シリーズ”の5作目…一応、シリーズは今までのものを順番に読み終わっており、ひとつ前の「任侠浴場」のみ単行本で、他はすべて文庫で読んでいる。今回はタイトルの“シネマ”で一目瞭然、映画館の立て直し…その一方で、暴力団排除条例をチラつかせ、組を潰そうと目論む、ショカツの新任係長との攻防なども描かれることになる。

 

映画館の立て直しといっても、今までのように経営に深く関わる訳ではなく、今回は外側からの援護射撃が中心だった印象。いつもは、バイト感覚で組員たちが、“その職業”を体験するような場面も多くあり、本作内でも実際に個々のキャラクターが、それを期待しているようなことを言うんだけど、親分や兄貴分は“今回はそういうのはナシだ”ときっぱり断言していた。ある意味、若干マンネリとなっていたワンパターン、お約束を回避しているともとれるかなと。依頼主となる映画館経営の社長と、嬉々として映画談義に花を咲かせる組長がなかなか魅力的だ。

 

あまり映画に興味がなかった人たちが、健さんに魅了されていく場面もクスクス笑いながら読んでしまった。いつも面倒ごとを持ち込んでくる親分の兄弟分・永神さえも、ある映画を見て感動してしまったり(本文の説明を読んでいて、オイラも直ぐに何の映画か理解したけど、正解のタイトルは巻末解説に書かれている)。かつて、著者自身のオタク知識を惜しげもなく披露して描いた「慎治」内でのアニメ・サブカル論と比べると、そこまで濃密なものではなかったものの…敏センセイの映画愛が詰まった、映画論、映画・映画館の在り方がしっかりと伝わってくる。

 

 

 

2022年2月発行の辻真先著「夜明け前の殺人」…1999年9月に単行本で出たものの文庫化、かれこれ24~5年前の作品なんですね。たぶん、著者の“昭和ミステリ”シリーズの人気にあやかって、未文庫化だったものを文庫化したんだろうな…オイラが辻真先センセイを読むきっかけも“昭和ミステリ”シリーズからだった。企業メセナ(企業による文化・芸術支援)の公演で…島崎藤村原作の「夜明け前」が舞台化され、好評のうちに千秋楽を迎えるのだが、その千秋楽の舞台上で…主演女優が服毒自殺を図るという事件が発生し、関係者はショックを受ける。

 

それから9年後…自殺した女優の弟が、フランスから帰国して、かつて姉が所属していた劇団に入団することに。弟は姉の死が自殺なわけない、殺されたんだと考えており…劇団への入団も、姉の死の真相を探るのが目的だった!そんな矢先に…再び事件が起きてしまう。物語は、企業側が支援する劇団選びをするところからはじまり、メセナ担当者や、劇団関係者の視点が適宜入れ替わって進行していく。ぶっちゃけ、島崎藤村なんてまともに読んだことがないので、本書を読んで得た知識くらいしか持ち合わせてないのだが…それでも問題なく楽しめる。

 

要は、藤村自身が体験した複雑な“恋愛・人間関係”ばりのドロドロが事件の背後に隠れていたってことだよね。正直、女優が舞台上で自殺するという“第一の事件”で犯人の目星はついてしまうものの…死者からの暗号を解いたり、時間を経て、9年後に再開する事件の被害者が“えっ、この人なの?”という予想外のものだったり、ミステリーとしての面白さや驚きはちゃんとあった。巡り巡って犯人が受ける報いがなかなか切ない。今だったら色々と指摘されてしまうかもしれない、女子高生の描写も…24~5年前の作品だと思えば、そこまで気にならないか?






 

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ユー・アー・ノット・マイ・マザー(2021年)

ユー・アー・ノット・マイ・マザー [DVD]

 

WOWOWのスリラー映画特集でエアチェックしておいた「ユー・アー・ノット・マイ・マザー」を鑑賞…邦題は現代のカタカナ表記、直訳すると“アンタはウチのオカンじゃない”ってことか?ハロウィンが近づいたある日を境に、もともと“病気”がちだった母親の様子がどんどんおかしくなり、娘である女子高生ヒロインの周りで不可解な出来事が続発するというアイルランド映画。WOWOWの解説によると“妖精に子どもをすり替えられるという”…現地の民間伝承をモチーフにしたフォークホラーだそうだ(特集タイトルは“世界の鳥肌スリラー最前線!”だったけどね)。

 

ハロウィーンが近づいてきたある日、高校生のシャーは、学校に遅刻しそうになったため、母親アンジェラの車で送ってもらうことになったのだが…様子がなんだかおかしく、途中で事故を起こしそうになる。その後、シャーは学校に登校、授業を終えて歩いて帰宅するのだが…途中でアンジェラの車が乗り捨てられているのを発見!自宅にいる祖母リタと警察を呼ぶが…あまり親身に捜査をしてもらえないようだ。アンジェラの兄アーロンも駆けつけてくれたが、母親は見つからない。しかし、翌日になってアンジェラが何事もなかったように帰宅するのだが…。

 

冒頭、若い女性の制止を振り切り、赤ん坊を連れ出した老婆が、怪しげな術とともに…前述の赤ん坊に火を放つというショッキングかつ謎めいたシーンから幕開け。そこからだいぶ時が流れたようで…祖母と母親と暮らす主人公の女子高生が出てくる…どうやら冒頭に出てきた“老婆、若い女、赤ん坊”のようだ。女子高生は学校に遅刻しそうだからと、祖母に“車で送ってほしい”と頼んでいたので…てっきり母親がいなくて、祖母に育てられてるのかと思ったら、祖母は“足が腫れてるからママに頼め”とそっけない態度…ああ、母親もちゃんと一緒にいるんだね。

 

しかし…なんとなく乗り気じゃない主人公、どうやら母親も精神的に不安定らしい。それでも頼んでみると、母親が車を出してくれるというのだが、実際に運転させると、やっぱりなんとなく覇気がなくて、虚ろ気な表情、危うく道で馬と衝突しそうになる!怒って車を降りてしまう娘…朝から大変な目に遭ったけど、学校に行けば行くでクラスメイトからハブられているみたい。どうやら“飛び級”で今のクラスに入ったようで、なんとなく浮いていたのだ。放課後、1人寂しく家路につくと…通り道の野っぱら見慣れた車が乗り捨てられてるのを発見、オカンの車じゃないか?

 

案の定…母親の運転で、自分が朝に乗ってきた車!ドアは開けっ放し、中には誰も載っていなかった。母親は行方不明になっていて、祖母と一緒に警察へ届け出るんだけど、まともに調べてくれない。心配して母親の兄、伯父さんもやってくるが効果なし…。仕方なく、母親の写真を手に、主人公が近所を捜してみたりもするが…そんな時に限って、近所のいじめっ子たちに遭遇してしまったりもする。いったんは諦めて家に戻る主人公だが…夜中になって、オカンはこそっと帰って来ていた。しかも失踪前は鬱だったのに、躁になってて、段々と言動もおかしくなる。

 

家では挙動のおかしい母親に、外ではいじめっ子に悩む主人公…色々と身の回りで事件が起き、その謎を解くカギが幼少期の自分の身に起きたことに関係があるらしいとわかったり、祖母がなんだか理由を知ってそうだったり、さすがに主人公のことを哀れんだいじめっ子の1人が態度を一変して友達になってくれたりしてドラマは進んでいく。短期間行方不明になって、戻って来た人物が、まるで別人のようになってしまう展開は…子供と大人という違いはあれど、昨年劇場で見た「エクソシスト 信じる者」に似てるなと思った…正確には悪魔憑きじゃないけどね。

 

まるで家族が別人になっている…というのが“妖精に子どもをすり替えられる”民間伝承からの着想らしいのだが、そのあたりの理由、仕組みが解りづらいから…怖さ半減みたいなところもあるし、最後のオチも自分的にはイマイチささらなかったんだけど…人が変わってしまったような母親が、夜中にとる奇妙な行動は、確かに不気味だった。“どうやら別のものと入れ替わってる”らしい母親が段々狂っていく…思いっきり地団駄を踏んで足がグキっとなるところ(骨が折れてるかどうかは不明)とかは、けっこうヤベェなって思った。この辺は地味にジワジワくる。

 

 

監督:ケイト・ドーラン

出演:ヘイゼル・ドゥープ キャロリン・ブラッケン イングリッド・クレイギー ジョーダン・ジョーンズ ポール・リード

 

 

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名探偵コナン 黒鉄の魚影(2023年)


劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』オリジナル・サウンドトラック

 

7年くらい前にWOWOWの一挙放送で、約20年分のコナン映画を初めて鑑賞して以来…とりあえず映画版だけはなんとなく追いかけるようになっている。とはいうものの、劇場へ見に行くとか、円盤買うとかって気はまったく起きず…未見の作品がTVで放送されれば録って見るって感じ。基本はWOWOW放送まで待つのだが…新作(1年前のヤツ)は金ローの方が早いので、とりあえず鑑賞して…後にWOWOWで放送されれば、コレクション用に録画するって感じ。そんなわけで金ローで未見の「名探偵コナン 黒鉄の魚影」が初放送になったので鑑賞したよ。

 

ドイツで、ユーロポールの女性職員が“黒づくめの組織”のキールに追われていたが、あと一歩で逃げおおせるというところで、後からやって来た同じ組織のジンによって殺されてしまう!一方、日本では江戸川コナンと探偵団のメンバーが、ホエールウォッチングが当たるという福引に挑んでいたが、結果は惨敗。しかし鈴木園子の計らいで、ホエールウォッチングに招待されることになり八丈島へ。コナンたちが島を訪れたちょうどその時、八丈島近海にあるインターポールの施設“パシフィック・ブイ”で、顔認証による追跡システムが本格稼働されようとしていた。

 

ああ、忘れてた…冒頭のジャケ画像は“劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』オリジナル・サウンドトラック”のものを拝借…DVDやブルーレイといった映像商品のジャケ画像(アフィ画像)にはなぜかSAMPLEの文字がデカデカと入ってしまっており、ブログ的な見栄えを考えて、サントラのジャケ画像(アフィ画像)をチョイスした。絵柄自体は同じキービジュアルだったので問題ないだろう…確か、昨年鑑賞した「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の感想の時も同じような説明を書いたような気がするなぁ…。前の時はSAMPLEじゃなくてIMAGEって書かれてたっけ…。

 

昨年の「ハロウィンの花嫁」の金ロー初放送では、本編が15分以上カットされており…いちげんお断りのストーリーに加え、ぶつ切り状態だったので、余計に話が解りづらく、ストーリーもあまり面白くなくて、自分的にはイマイチだったんだけど…さすがに前作の放送を反省したのか、一応今回は“本編ノーカット”を謳っておりました。また…最近のコナン映画ではほぼ避けられない事柄なんだけど、黒ずくめの組織や怪盗キッドが関わってくる話もオイラのような“俄か”にとっては面白さ半減、今回も黒ずくめの組織メインの話であり、知らないキャラも多めだった…。

 

始まってすぐの冒頭で死人こそ出るものの…黒づくめの組織の陰謀を阻止する系だったので、今回もどちらかというと一昔前のハリウッド映画をパクったようなアクションメインの話だったんだけど、後半で“とってつけたような殺人事件”が起きたりもしていて…多少はミステリー要素も残ってましたね。犯人が使った、トリックというか…仕掛けの一つなんかは、単に“声優の力量のおかげ”みたいなところもあるよな。一番、驚いたのは灰原拉致を阻止しようとする、強すぎる蘭姉ちゃん…草薙素子レベルの跳躍力。下手な刑事や司法組織の捜査官より優秀やろ!

 

本作でキーとなったインターポールの最新技術“老若認証”…若い頃の写真があれば、年齢を重ねた後の老けた顔もコンピュータで補正して、瞬時に居所を突き止めてしまうというもの。つまり理論的にはその逆も可能?コナンくん…感心する前に、自分や灰原の正体がバレるの心配しろよとか、思わずツッコミを入れそうになったが、ちゃんと後に影響出てた。そして、最終的にはバレないようにする辻褄あせもちゃんと考えられていたと。「ゼロの執行人」を含むここ最近の4作品くらいは、オイラ的につまらないものが続いたけど…今回はちょっとマシだったかも?

 

 

監督:立川譲
出演:高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 池田秀一 古谷徹 林原めぐみ 三石琴乃 小山茉美

 

 

【こちらがBlu-rayです】

Blu-ray 劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」 (通常盤) (BD)






 

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ゼロ・コンタクト(2022年)

Zero Contact [Blu-ray]

 

日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するWOWOWのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「ゼロ・コンタクト(原題:Zero Contact)」を鑑賞…世界中でコロナが蔓延しはじめたころに、俳優、スタッフが、リモートワークの非接触で作り上げた映画だそうで、それだけだったら、同じようなことをやってる人たちはけっこういっぱいいたんだけれども、「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士でお馴染み、アンソニー・ホプキンスが主要キャストの1人で出ているというのが、最大の売り。ジャケ画像はAmazonで見つけた輸入盤のものです。

 

IT業界の重鎮フィンリー・ハートは妻の死後に、自分の会社から追放されてしまった。それは彼が立ち上げた謎のプロジェクト“クオンティニュアム構想”への資金流用が疑われたからだ。やがてフィンリー自身も病気を患い死去…それから数ヶ月経ったある日、生前のフィンリーとは疎遠になっていた息子サムをはじめ、かつて会社の幹部や研究員だった者、弁護士だったベロニカの元へ荷物が届き、促されるままに謎のAIによって進行されるリモート会議へと出席することになった。AIは5人の出席者に、制限時間内のパスコード入力を要求してくるのだが…。

 

IT業界の大物アンソニー・ホプキンスが死去、生前のホプキンスは何やら怪しげなプロジェクトを進めており、いったんは凍結されたそのプロジェクトを、再起動するために…選ばれた関係者が、半ば強制的にパソコン越しのリモート会議へ出席することに。面識のある者、初対面の者…最初は何が起きてるのか、みんな戸惑い気味に、腹の探り合いを始める。どうやらプロジェクトの再起動には、死んだホプキンスの意向が関わってるらしいのだが…AIに促されるまま、再起動に必要なパスワードを入力してもいいのかどうか、出席者で議論になっていくと…。

 

ホプキンスの意向通りにプロジェクトを進めるべきだと主張する者もいれば、いや、それはヤバイ研究なんだと、意味深に専門用語を羅列しまくって反対する者も出てくるし…俺は関係ないと、一歩引いた意見の者もいる。そんなことしているうちに…出席者の1人に異変が!やたらと部屋の外の様子を気にし始め…遂には賊に侵入され、通信が途絶えてしまう!このあたりから他の出席者たちの議論も過熱…自分の意志でパスワードを入力するかどうかの選択を迫られる。それと同時に…賊の襲撃にも備えなければならなく、会議からの脱落者も増える…。

 

プロジェクトの真相は何?パスワードを入れるとどうなるの?賊の正体はいったい誰?なんで、みんな居場所が違うのに…襲撃者が襲ってこれるのか?基本、スマホやパソコンのカメラ、監視映像の視点などを編集したものであり、会話でストーリーが進行していく部分が多いのだが、ちゃんとサスペンスは演出できているし、SF的な要素もぶちこまれていて、意外と最後まで緊張感も持続していた。コロナ禍にアイデア重視で撮った類似の作品をいくつか見たことがあるけど、よく出来てる方では?だからといってこの手法の作品ばかり見るのは飽きそうだけど。

 

 

監督:リック・ダグデイル

出演:アンソニー・ホプキンス クリス・ブロシュー ヴェロニカ・フェレ アレクス・ポーノヴィッチ TJ・カヤマ

 

 

【輸入盤Blu-rayソフトの購入】

Blu-ray Zero Contact ※輸入盤、日本語未収録、リージョン等未確認

Zero Contact




 

YouTubeに予告編があったよ!

 







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べネシアフレニア(2021年)


べネシアフレニア [DVD]

 

WOWOWのスリラー映画特集でエアチェックした「べネシアフレニア」を鑑賞…ヴェネチアにやって来たスペイン人観光客が、謎の殺人鬼に狙われるというスペイン映画。監督はスペインの鬼才などと呼ばれることもあるアレックス・デ・ラ・イグレシア…ネットでフィルモグラフィーを知らべると、けっこうな数の監督作品があって、その中でオイラが見たことがあったのは「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」「オックスフォード連続殺人」「クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的」あたり…そっか「オックスフォード連続殺人」の監督か、あれめっちゃ好きだった…。

 

結婚を控える女性イサは、独身最後の旅行を楽しもうと…友人や自分の弟と一緒にクルーズ船に乗り、ヴェネチアにやって来た。しかし、到着早々…“観光客は帰れ!”というプラカードを掲げた一団と遭遇、罵声を浴びせられる。その一団は深刻化するオーバーツーリズムを問題視し、抗議活動を繰り広げていたのだ。気を取り直して…カーニバルで浮かれるヴェネチアの町を観光、みんなで水上タクシーに乗り込むのだが、カーニバル衣装を着た奇妙な道化師が、勝手に乗船してくる。薄気味わるがる一行…実はその道化師は観光客を狙う殺人鬼だった!

 

異国から観光にやって来たバカ者が、現地の暗部に触れて、どエラい目に遭うという…テイストとしては、イーライ・ロスの「ホステル」にも似た、ああいう系統のスリラーなんだけど、WOWOWの解説でも説明されていたが…日本はもちろん、世界各国の観光地で深刻化している“オーバツーリズム問題”なんかにも切り込む、社会派の面もあったりして…ただの悪趣味血みどろスプラッターで終わっていないところはなかなか。冒頭、カップルの観光客がカーニバル衣装の道化師と遭遇、“写真を撮って欲しい”と頼むも、道化師はいきなり2人に襲い掛かる!

 

道化師はなんと町を彷徨い歩く殺人鬼だった!ちょうどそこに…別の観光客たちが大勢やって来て、犯行の一部始終を目撃するが、“カーニバルのショー”と勘違いし、写真を撮ったり、ヤジを飛ばしたりと大盛り上がり。殺人鬼も、衆人環視で、シレっと犯行をやり遂げる。その後も…人気のない路地の壁に、飾ってある仮面に化け、観光客が物珍し気に近づいてきたところを、隠し持っていたサーベルでブスリと刺し殺すなど、殺戮を繰り広げるんだけど、スペインから観光にやって来た主人公たち一行も、この道化師の恰好をした殺人鬼に目をつけられてしまう。

 

主人公グループの内訳は、結婚を控えた女性とその弟、独り者の女友達1、女友達2は彼氏同伴…女3人男2人。弟くんがどうやらトラブルメーカーであり…“やらかしそう”な感じがする。宿泊先でパスポートをもとめられても、シレっと誤魔化して、1人だけ提示しなかったりするんだよ。案の定…それが原因でトラブルがより深刻化することにもなる。主人公グループも、カーニバル衣装に身を包み、町へと繰り出す。そこでバカ騒ぎして、マナー違反をやらかし、地元民の冷たい視線を浴びながら、怪しげな仮面の人物に誘われて、秘密のパーティーにも参加。

 

気づくと…グループの1人が行方不明に!宿泊先や警察に相談しても、それまでの行動がたたり…真剣に相談にのってくれなかったりする。必死に行方不明者の捜索をしているうちに…とうとう、あの殺人鬼が姿を現し、第一の惨劇!もしかした行方不明者も既に犠牲になっているのか?ヴェネチア到着後直後に、主人公たちは水上タクシーに乗り込むんだけど、その運転手?操舵手が思いのほか親切な人物で、行方不明者探しにも積極的に協力してくれる。地元民は、バカな観光客たちに迷惑し、敵視する人間が多かったのだが…この人はどうやら別格?

 

殺人や誘拐の犯人はどうやら単独ではなさそう、複数犯、組織的な犯行の可能性も浮上する…最初は非協力的だった刑事さんとか、あの親切な水上タクシーの人とかも、てっきり犯人一味なんじゃないかって、疑ってしまったんだけど、さすがにそれは考えすぎ…現地の人、全員犯人だった展開ではなかったよ。ベタっていえば、ベタなところも多かったけど…普段は美しく、風光明媚なヴェネチアが、意外と胡散臭く描かれていて、全体の雰囲気はけっこう自分好み。それから、結婚相手に嘘つくと、話がこじれるから気をつけようという教訓も描かれてます(笑)

 

そういえば…上の方でチラっと書いたけど、仮面がいっぱい飾ってある中に、生身の殺人鬼が、壁の向こう側から頭を出しているのが混ざってるっていう…めっちゃアナログで古典的なトラップが出てくるんだけど、ちょうど今、BS松竹東急で始まった「江戸川乱歩の美女シリーズ」全作放送を追いかけていて、この間、見た「江戸川乱歩美女シリーズ② 浴室の美女」の中で、まったく同じことを犯人の西村晃がやってて、天地茂演じる明智小五郎を翻弄していたなぁって思った。そうか、あのシーンでちょっと笑いそうになったのは、土曜ワイドと一緒だったからか(爆)
 

 

監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア

出演:イングリッド・ガルシア・ヨンソン シルビア・アロンソ ゴイセ・ブランコ ニコラス・イヨロ アルベルト・バング

 

 

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オールドマン(2022年)


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今日は朝から、母親の外来付き添いのため病院へ。先週の金曜日まで入院しておこなった治療の、経過観察だったんだけど…おかげさまで数値的にはかなり良好だそうで、次回の外来予定は通常スパンに戻る。ただし…病院自体は、かなり混雑してまして、朝イチで出かけて、検査→診療→会計→薬の処方、すべて終わるまで昼過ぎまでかかってしまったので、オカンもオイラもだいぶくたびれてもうた。かったるいので早めに寝ようかなと思ったけど、短めの映画を1本…WOWOWのスリラー映画特集でエアチェックしておいた「オールドマン」を鑑賞したよ。

 

とある森の奥にある小屋…どうやら老人が1人で暮らしている様子。しかし、小屋の中のベッドで目覚めた老人は、一緒にいたはずの“ラスカル”の不在に気づき、落ち着きなく小屋の中をさまよい歩く。やがて、ノックの音と共に来訪者が!それは道に迷ったという青年ジョーだった。しかし、ジョーの説明に不審な点を感じ取った老人は、訝しがり、ジョーに銃を突きつけたまま、なかなか心を許そうとしなかった。とりあえず小屋に招き入れられたジョー。老人が自分の過去の経験談などを語って聞かせているうちに、どんどん身の危険を感じ始めるのだが…。

 

「アバター」のクオリッチ大佐、「ドント・ブリーズ」シリーズの盲目の老人など怒らせたら激ヤバなジジイを演じさせたら右に出る者がいない…とまで言っちゃうと、ちょっと言い過ぎかもしれないけど、とにかく危ないジジイ役が似合うスティーヴン・ラングが、これまたクセの強い狂ったジジイを演じた主演作品。しかも…もう1人のメイン登場人物とほぼほぼ2人芝居…途中で挿入される回想シーンなどで、たまに他の登場人物との絡みもあるけど、だいたい1人芝居か2人芝居です。っていうかキャストも、結局は…全部で4人しかいなかったんだけどね…少なっ!

 

山だか森だか…どこかの奥深い場所にある小屋、そこで老人スティーヴン・ラングが目覚めるのだが、明らかに挙動不審、ジジイ、ボケとるんじゃないか?そして、“ラスカルがいない!”と大騒ぎ。人間なのか、それともペットの名前か…最初はよくわからんかった(その名前を聞くと、アライグマを思い出してしまうじゃん)。ジジイは、ラスカルの行方を探しながら、小屋の中を右往左往。やがて…ノックの音と共に小屋に人が訪ねてくる。ジジイ、なぜか殺る気スイッチが入り、ショットガンを構えて応対…訪ねてきた相手に“ラスカルか?”と名前を訊ねる。

 

ああ、ラスカルはどうやら人の名前だったようだ(笑、やっぱアライグマじゃなかったのか)。しかし…問われた相手は、銃に怯え、呼び掛けられた名前にポカーン…絶対にラスカルちゃうやろ~やっぱジジイはボケ老人なのか?訪ねてきた人物も、必死に“怪しいものではない”と訴えかけ、道に迷ったから助けてくれという話になる。とりあえず小屋の中に招き入れるが、銃を突きつけたまま…お前は何者じゃと、執拗に問いただすジジイ。訪ねてきた人物の、話す内容から、“道に迷ったなんて嘘だろ?”と疑っている…その推理がなかなか冴えたりしてるんだよな。

 

一見、本当に“道に迷った純朴そうに見える若者の男”も…ジジイが疑うことで、怪しく見えてくる。もしかして、ジジイがヤバイ奴だったじゃなくて、訪ねてきた若者の方がヤバイ奴だった展開なのか?以降…お互いに腹の探り合いが始まる。ジジイが、かつて訪ねてきたセールスマンとのトラブルを語り出すなど、会話の流れを見てると…今度はやっぱり、ジジイの方が、“森に潜む殺人鬼”っぽく見えてくる…いまにも若者がジジイの毒牙にかかりそう。でも、知らんうちに打ち解け合って、若者の方は、嫁さんとの“夫婦生活の悩み”とか、ジジイに告白したりもする。

 

とりあえず…2人の会話が色々な方向へとっちらかり、それがいったい何を意味するのか?脈略なく見えた、意味不明な会話が、段々と物語の核心に迫ることで、理解できるようになり、最後には仕掛け、秘密が明らかになる。ぶっちゃけ、第一印象のジジイボケてるんじゃないか疑惑…遠からずといったところだろうか。最初にチラっと書いたけど、心身ともにお疲れモードだったので、たびたび、短時間、寝落ちしてしまった箇所がありまして…ちゃんと作品を理解しているか自信もないんだけど、あまりおもろなかったので、1回見ればいいかな、たぶん見直さない。

 

 

監督:ラッキー・マッキー

出演:スティーヴン・ラング マーク・センター パッチ・ダラー リアナ・ライト=マーク

 

 

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教祖誕生(1993年)

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WOWOWの“あなたの映画館”という視聴者リクエスト企画で…「教祖誕生」が放送されていたのでエアチェック。1993年の旧作だが、WOWOWでは今回が初放送だった。ビートたけし原作の同名小説を、「その男、凶暴につき」や「ソナチネ」で監督補を務めていた天間敏広が監督に抜擢され映像化。最近はプロ雀士としての活躍が目立つ萩原聖人が、宗教団体の教祖に祭り上げられる青年を熱演、殿本人も教団運営のキーマン役で出演。岸部一徳、下条正巳、国舞亜矢、寺島進など…北野映画経験者のほか、教団信者役で玉置浩二なども出ていたね。

 

実家へ帰省途中だった高山和夫は、インチキ臭い宗教組織の一段と遭遇…興味本位で、教祖と称する男が、パフォーマンスを繰り広げる様子の一部始終を目撃し、自分も興味を覚える。教団の運営を管理する主管の司馬大介による口添えもあり同行を許された和夫。やがて元ホームレスの初代教祖が、司馬の指示を無視して暴走しはじめたため対立が生じ、初代教祖は追い出されてしまう。そこで二代目教祖に白羽の矢が立ったのが和夫だった。信仰と真面目に向き合う信者・駒村哲治の後押しもあり、和夫は段々と教祖としての自覚に目覚めはじめ…。

 

過去に鑑賞経験はある…劇場公開が93年なので、その後、数年以内にはテレビ放送されてたはずで、確かフジテレビのゴールデン洋画劇場(洋画劇場って番組名だけど、邦画も放送してた)でテレビ初放送されたんじゃないかなと記憶。ノーカットで放送されたかどうかまでは、ちょっと覚えてないんだけど…その放送をVHSに録画して鑑賞したんだよ。インチキ宗教団体の内幕もので…サリン事件を起こす前から、何かと世間を騒がせていたオウム真理教なんかも、かなりモデルにしているんじゃないかなと。原作や映画の発表は、サリン事件よりも前だな…。

 

所詮、宗教なんてまがいもの…信じる方が馬鹿を見るという現実を描く一方、因果応報というスピリチュアルなメッセージも併せ持つ、ビートたけしらしい“毒と笑い”でシニカルに綴ったコメディ。天間監督が、しっかりと北野映画のDNAを継承しており(共同脚本の1人で、北野組のスクリプターとして有名な中田秀子女史もクレジットされてるし)…“これも本人が監督している北野映画の一つ”なのではないかと錯覚を覚えてしまうくらい、雰囲気作りや、間の取り方は似ている。こうしてみると殿(ビートたけし)の芝居も「その男、凶暴につき」の我妻刑事に似ている。

 

ギャグと暴力…殿が初代インチキ教祖・下条正巳(寅さんのおいちゃん)をボコボコにするところも凄かったが、オイラ的には、たかりに来たチンピラ寺島進を、人目の付かない場所に誘い出した岸部一徳が、態度を一変させて、やっぱりフルボッコにするところが、一番…本家北野映画譲りな“怖さ”が出ていたなと、印象に残ったシーンだ。一徳さんの演技が迫力あるよね…いつもはヌボーっとして、殿に対し、下手に出ることも多いんだけど、本当はこっちの方がもっとヤバい奴なんじゃないかなっていうのが、一瞬垣間見える感じの演技がマジで素晴らしかった。

 

あと…教団関係者の多くが、インチキ、金儲けくらいにしか考えていないのに、教えを信じ、殿、一徳さんら運営側としばし対立する堅物信者役の玉置浩二の…一瞬、玉置浩二だってわからないくらいのオーラのなさ、玉置浩二を全く感じさせない演技が、秀逸だ。元チェッカーズの藤井尚之が音楽を担当、一見、シャレオツで不似合いにかっこよさげな音楽だったりするんだけど…意外と胡散臭い映画の内容とマッチ。布教活動を終えた教団一行が、駅にやって来て、ローカル線で移動するシーンがあるんだけど、そこでの音楽と映像のハマリ具合が好きだな。

 

 

監督:天間敏広

出演:萩原聖人 玉置浩二 岸部一徳 ビートたけし 下絛正巳 山口美也子 もたいまさこ 国舞亜矢 南美江

 

 

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アステロイド・シティ(2023年)

 

WOWOWで初回放送を録り逃した(確か、何か録画した番組がかぶって、こちらを犠牲にした)、ウェス・アンダーソンの「アステロイド・シティ」がようやくリピートされたのでエアチェックして鑑賞。アマプラでも会員なら無料見放題になっていたけど(もちろんWOWOWオンデマンドでもーカイブ配信してるし)、録画してからゆっくり見ようと思っていたので、配信は利用しないで待っていた。記事冒頭に掲載したジャケ画像とタイトルのリンク先はセルDVDのものだが…ケースのサイズがブルーレイと一緒なのが珍しいな。ちゃんと背ラベルにDVDって書いてあった。

 

1955年、アメリカ南西部、砂漠の中にある“アステロイド・シティ”…そこは、5000年前に隕石が落ちてできた巨大なクレーターが観光名所になっているほかは、人口も87人しかいない小さな町だった。そんな町に、科学賞の栄誉に輝いた5人の子供と、その家族たちが招待された。やって来た家族たちの中には、妻が他界したことを息子と幼い3人の娘に言い出せずに悩んでいる戦場カメラマンのオーギーと、シングルマザーで子育て中のグラマラス女優ミッジもおり…偶然知り合い、親しくなっていく。やがて授賞式の際に、突如…宇宙人がやって来て…。

 

ウェス・アンダーソンの過去の作品は、いくつか見てるけど…網羅するほどのファン、マニアでもなく、自分的にはなんかけっこう久しぶりだった。たぶんちゃんと見てるのは「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「ライフ・アクアティック」「ムーンライズ・キングダム」の3本…みんな、なんか変な映画だったとう記憶が残ってるくらいで、内容はあんまりよく覚えていない。今回の特集放送で、「ムーンライズ・キングダム」もやってたので、いつか見直すかもしれないと、一応、録画だけはしてある(B・ウィリスのエアチェックコレクションに加えようかなという意図もあってね…)。

 

ということで、「アステロイド・シティ」…やっぱり変な映画だった。本編はモノクロとカラー…2つのパートが混在、それぞれ画面サイズも異なる。冒頭、テレビショーの司会者が出てきて、エドワード・ノートン演じる劇作家が物語を創作する過程、舞台製作の裏側を紐解くために、架空のドラマを放送すると説明、劇中劇のようなものが始まる…これがモノクロパート。一方、映画の本編、本筋ともいえるカラーパートで、前述の“架空のドラマ”の中身が描かれんだけど…これが演劇の内容ともイコールで、妙な入れ子仕掛けになってる。初っ端から、頭がおかしくなる。

 

それでも…モノクロ画面から一転、色鮮やかなカラーパートに入り、軽妙な音楽と共に、荒野を走る貨物列車を追いかけるオープニングクレジット、それに続き、まるでハリボテ、またはいかにも映画撮影場の一角にでもありそうな薄っぺらい感じの“アステロイド・シティ”の町並みが映し出されると、一気にウェス・アンダーソンらしさ全開の世界に引きこまれる。子役も含め、次から次へとよく喋る、個性強めな登場人物がたくさん出てくるし、子役以外のキャストは…“えっ、こんな人も出てるの?”と思うくらい、大物、演技派、曲者ぞろいで、映像を見てるだけで楽しい。

 

単純にストーリーを楽しむというのであれば、カラーパートのシュールな話を追いかけてれば、奇抜で、斜め上を行く展開も多いので、それだけでも充分かなとは思うけどね。公式のストーリー紹介などで、舞台設定は50年代と提示されてるんだけど、劇中でも語られていると通り“架空のドラマ”なので、SFのような小道具も出てくるし、それどころか、どこからともなく宇宙人だってやって来ちゃうんだ。そして、何があっても…劇中の登場人物は、みんな乏しい表情で淡々と物事に対処していく。スカヨハの“自殺演技”は一瞬、本当に死んでるのかと思ったよね…。

 

劇中の“架空のドラマ”が…収拾がつかなくなって、ドリフオチみたいなドタバタになった直後、それが舞台の一部だみたいなネタバラしになったりするところがあるんだけど(最初からそうだろうと思って見てるから秘密でもなんでもないけど)…早口キャラのセリフの応酬、現実なのか、舞台なのか、現代劇なのか、SFなのか…このごった煮感、押井守の「御先祖様万々歳」みたいだなってちょっと思った。本作の後半部分、「御先祖様万々歳」で未来からやって来た孫の麿子が、第5話でとんでもない真相をカミングアウトするラストカットと大いにダブるのであった。

 

 

監督:ウェス・アンダーソン

出演:ジェイソン・シュワルツマン スカーレット・ヨハンソン トム・ハンクス マーゴット・ロビー エドワード・ノートン

 

 

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